『処暑の候』というのを見かけることがあるんですが、これっていったいなんて読み方なんだろう?と思ったことはありませんか?
そのまま読むのなら、やっぱり「しょしょのこう」なのかなーなんて正解もわからずに思ったりしていましたが、実はこれが正解だったんですね(笑
それにしても処暑っていったい何のこと?という疑問がまだ残ってしまったので、それならば・・ということで、この「処暑」について調べてみたので、これを記載していきたいと思います。
『処暑の候』とは、時候の挨拶の一つ
この『処暑の候』というのは、手紙やハガキの書き方として知られている、あの冒頭にあるお決まり文句の「時候の挨拶」となる、季節を表す言葉です。
最近ではメールやSNSで、遠くのかたなどともやり取りすることが多いので、手紙やハガキを書くというかたも減っていると思います。
ですが、結婚式などの慶事や、お葬式などの弔事の際にはメールやSNSで済ますわけにもいきませんので、時候の挨拶については、いくつか知っておいたほうが、良いのではないかと思います。
まぁ、いまやググれば直ぐに調べがつくのですが、サラサラっと何気に「時候の挨拶」がかければ、ちょっとカッコいいですよね。
処暑とはどういう意味か
「処暑の候」は時候の挨拶であることから、季節を表しているのですが、「処暑」と聞いただけで、みなさんは季節がわかりますか?私は「夏かな?」くらいしか分かりませんでした。
この「処暑」は、二十四節気という、季節を表すための名前からきています。
二十四節気は、その名のとおり、一年を二十四にわけ、それぞれに季節を表す言葉がついており、太陰暦を使用していた時代に、季節を表す言葉として使われていたんだそうです。
ちなみに、二十四節気にはどんなものがあるかといいますと、以下のようになっています。
春
- 立春(りっしゅん) 2/4頃
- 雨水(うすい) 2/19頃
- 啓蟄(けいちつ) 3/6頃
- 春分(しゅんぶん) 3/21頃
- 清明(せいめい) 4/5頃
- 穀雨(こくう) 4/20頃
夏
- 立夏(りっか) 5/6頃
- 小満(しょうまん) 5/21頃
- 芒種(ぼうしゅ) 6/6頃
- 夏至(げし) 6/21頃
- 小暑(しょうしょ) 7/7頃
- 大暑(たいしょ) 7/23頃
秋
- 立秋(りっしゅう) 8/7頃
- 処暑(しょしょ) 8/23頃
- 白露(はくろ) 9/8頃
- 秋分(しゅうぶん) 9/23頃
- 寒露(かんろ) 10/8頃
- 霜降(そうこう) 10/23頃
冬
- 立冬(りっとう) 11/7頃
- 小雪(しょうせつ) 11/22頃
- 大雪(たいせつ) 12/7頃
- 冬至(とうじ) 12/22頃
- 小寒(しょうかん) 1/5頃
- 大寒(だいかん) 1/20頃
いやー、ずいぶんたくさんの節気があるもんですねぇ、覚えるのは大変そうなんですが、これだけを見て引いていてはいけません。
この二十四節気は、約15日間隔でわけられていますが、さらにそれを3つに分けた、「七十二候」というものがあります。
さすがに72個は覚えるのに一苦労しそうです。
あ、そうそう、肝心の「処暑」の意味ですが、上の表に書いた日付から想像できるとは思いますが、「暑さが峠を越し、秋が近づいてきてる」という意味になります。
ですので、8月23日~9月7日の手紙やハガキでは、時候の挨拶は、「処暑の候」とすれば良いということになりますね。
二十四節期の日付
ところで、上の表をみて、「なんだよ、この『頃』っていうのは」と思った方はいませんか?そうなんです、この二十四節気にあたる日は、年によってかわってくるんです。
なので『頃』というように、曖昧さをもたせた書き方をしています。
ちなみに「立春」は、2/4頃となっていますが、違った年を探してみますと、1985年に2/5でしたが、以降は2020年までが2/4で、2021年が2/3、2025年が2/3となっています。
まぁほとんどが2/4なので、2/4と言っても良いのかもしれませんね。
処暑の候を使った例文
処暑の意味も分かったし、さっそく手紙に使ってみようという時、どうかいたらいいか迷ってしまいますよね。
そこで、少しだけ処暑の候を使う場合の例文をご紹介しておきます。
まず冒頭部分ですが、冒頭はそれこそ定形的に書けばいいと思いますので、以下のような文になります。
- 処暑の候 皆様におきましてはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
- 処暑の候 ○○様におかれましてはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
冒頭の部分を書いたらあとは普通に伝えたい内容を書けばいいですね。
そして、書き終わったら最後に書くのは、この時期は残暑が厳しい時期にもなりますので、以下のような文で締めくくってはどうでしょうか。
- まだまだ厳しい暑さが続きますのでくれぐれもご無理なさらないようにご自愛ください。
- 残暑厳しき折り体調を崩されませんようお身体ご自愛ください。
まとめ
処暑というからには、暑さが関係する季節だとは思いましたが、明確に8/23~9/7(頃)という期間をあらわしているとは思いませんでした。
結婚式やお葬式などの手紙で、時候の挨拶は書いたことがあったんですが・・ここまで調べてみた結果を見ると、たぶん間違っていたような気がします(汗
二十四節気を調べてみて、「処暑」以外にも、ほとんど聞いたことがない言葉もありましたが、この二十四節気を全部把握している人ってどれくらいいるんでしょうかね。
やはりこれくらいは一般常識なんでしょうか・・だとすれば、これまでは常識ハズレな人だったのかと思うと、なんだか恥ずかしくなってきてしまいました。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」とも言いますから、これからも知らないことは、積極的に聞く、調べるということをしていきたいと思いました。